2009年11月23日月曜日

台風の影響

 11月14日

約2ヶ月ぶりに森のスクールに来てみた。
台風の影響でかなりの被害がこの辺りにもあったことは伝わっていた。あいにく、ツリーハウスの森は直接強風に遭わなかったが、頂上にある大木は根こそぎ倒れたそうだ。

このツリーハウスも相当揺れた。団栗の木が主木となっていて根っ子から2本の幹が伸びている。そのうち1本は斜めに延びているが、このツリーハウスを支えるにはあまりにも無理があるため、2本の支柱で支えられている。そのうちの1本の支柱が倒れていた。
もともと幹が相当揺れれば隙間が生じて外れるものだと予想はしていた。
しかし、予想以上に揺れた。画像中央に倒れているのがその支柱。その左にはかろうじてもう一本の支柱が引っかかっている。
さらに、その支柱を観察してみると頭が幹から外れていたが、となりに延びる他の幹に寄りかかってとどまっていた。

しかし、無残だ。支柱のT型の頭を支える金具のナットが飛び出していたため、何度も揺れによってそのナットで幹の表皮が削られている。
これは私の責任だ。羽子板金具を取り付ける際にナットが出ないようにすべきを、その面倒な削り込み作業を省いてしまったからだ。
この日は取り合えず一人ではなんともできないので仮支えをしておいて別の作業を行なった。


はしごの作り方

以前作っておいた、はしごの取り付けである。こちらの方は自身がある。
なんといってもかなり資料を調べたから、是非他の人にも薦めたい。
ツリーハウスに登るはしごは安全でできれば安価であるべきだと思

っている。

ここで紹介するはしごは通常と少し違うが、作り方はきわめて単純で簡単だ。
ただ、その重要性に気付きにくい。

画像を載せておこう。
中央に見えるのがはしごである。
右に見える太いほうは以前使っていた仮付けのはしごで相当重い。この時点では倒れた支柱の代わりに仮支えを行なっている。
肝心の新しいはしごは細い材を使っていて軽い。通常との大きな違いは、縦に3本の支柱が通っている点だ。それぞれの横木を三点で止めている。

ツリーハウス8
もうお気づきのことだろう。一箇所外れてももう2箇所で転落しないしくみとなっている。
縄による結束はしごであろうと結合が金具であろうと、いずれかは外れるか破損してしまう。なかなか事前に破損に気付くことができれば良いが、落ちてからでは遅い。外れていても気付くことができる余裕がほしい。転落しないためにもこの3点結束・結合は重要である。

このことはボルネオ原住民の作るツリーハウスの写真や絵図を観察していて気がついた。
最初、はしごに縦にもう一本通して作られている意味がわからなかった。

この日取り付けた実感は明らかに違いが分かる。以前の不動の重いはしごに比べて頼りなさそうであったが、登るときにつかむフィット感がある。降りるときの材のしなりが体重を吸収してくれて体になじむ。
もちろん、華奢なようだがどこか外れても他で支えられているので安心感がある。

さて、次回は森のスタッフに手伝ってもらい支柱を立てることにしよう。

2009年9月30日水曜日

板葺きパターン


参考にすべき板葺きのパターンがあったので、記録にとどめておこう。
通常、板の切り口を水平にそろえて貼ってあるのを見かけるが、このパターンは凸凹パターンだ。
なぜかこの方が美しい。
いつかこのパターンを使いたい。








2009年9月16日水曜日

野外美術展の展示



 本日より開催の野外美術展(とよはしアートユニット主催)。

とよはしアートユニットの代表として、今日は会場に終日居座っている。
昨日の雨で搬入はあきらめた。今日の早朝に設置した。
他のメンバーは土砂降りの中、ずぶぬれだったそうだ。
私の展示物は軽量なのでトラックを借りるほどではなかった。
それでも、なかなか設置場所となると決めるのに時間がかかってしまった。

既に9点ほどの作品が設置されており、それらとの兼ね合いでちょうどいい場所に収まったのは10時ごろだった。
その後カメラマン
が来て撮影を行ない、昼前に新聞社
の取材に応じて午前中が終わった。

昼休みは役所の職員がタバコを吸うがてらぷらぷらと来るぐらい。
常時このエリアに1時間に10人来ればよいほうだ。

午後から親子連れがちらほら見えた。知り合いも尋ねてくる。

3時も過ぎると日が翳り始め、一応受け付けには座っているが、蚊が
出て落ち着かない。

NHKから電話があり、すぐに来てくれた。取材に応じ、明日撮影の予定。
カメラマンが来て、光の加減を見て撮影を再度行なう。
アートユニットのメンバーも2人訪れる。
今日はゆったりと時間が流れた。荒川じんぺいの本を持ってきたので読もうかと思っていたが、あまり進まなかった。







2009年9月7日月曜日

ツリーハウス内部の絵図


 昨日は展示ボードのフレームを作りに行ったが、原木では曲がっていて思うようには行かない。
ついでに、ルーフィングの作業を少々行ない、内部で涼んでいた。
内部の様子は写真では伝わりにくい。私のデジカメではレンズに限界がある。
先日、エココンペ用に描いた内部の想像図を思い出した。これでなんとなく雰囲気は伝わるだろうか。
ほとんど非現実的な感じがするが、よく見ると現実を伝える一つの描き方だと気付く。
一枚の絵で外部と内部の空間・骨組みの三つを同時に表わしている。
このような描き方は、今なら普通のアーチストが行なっているだろう。なんとなくドラッグでもやっていそうな絵だ。
話が飛んでしまうが、最近もっと飛躍した絵を見た。その影響かもしれない。一つの絵の中に幾つもの空間があり、しかもある生物は皮膚の下まで透けて描かれている。場合によっては幾つもの時間が入り込んでいる。

2009年9月3日木曜日

公開展示の予告



あれから2週間の間、今まで行なってきた内容をまとめてみました。
作業内容ではなく、アイデアの経緯や発展、その展開から環境への取り組までです。
私のホームページにその内容を掲載しておきました。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。



今月は、この内容をボード化し、公の場で発表する予定です。

2009


第6回
TOYOHASHI
OUTDOOR ART EXHIBITION

 前半 
展示会期 :2009年9月16日(水)~10月11日(日)
展示会場 :豊橋公園本丸跡地

 後半 

展示会期 :
2009年11月2
(月)~11月8
日(日)
展示会場 :豊橋駅前ポケットパーク(渥美線豊橋駅入り口周辺)
  • 私以外に、10名ほどのデザイナー・造形作家による展示があるのでお勧めです。
  • そのほとんどは立体造形物。今回、私は山から持って来れないので、代わりに平面媒体で発表。
  • ツリーハウスのパネル展示は、前半の会場のみです。
  • 前回までの内容は以下のサイトを参照していただければご覧になれます。
とよはしアートユニットhttp://sites.google.com/site/toyohashiartunit/


ところで、展示ボードは、雨や場合によっては台風などの強風も想定しなければならない。
耐久性が必要なため、アルミ板に印刷データを貼り付けし、ボード化したい。
屋外に置いて5年はもつそうだ。
後々、ツリーハウスの近くに掲示しても良いと考えている。ワークショップなどにもあれば便利だ。
構造の理解を促すためにも、図や写真では伝わりにくいだろう。
具体的な模型でも展示できればと考えている。


このボードは、900×900の大きさ。これにツリーハウスで使った材をフレームにして展示する予定だ。
明日はそのフレームを作りに行こう。

2009年8月18日火曜日

34・35日目(ルーフィング9日)

8月の16・17日の両日をかけて、ほぼこの作業の終了までこぎつけた。

というのは、来週にはこの森のスクールにて、ほかの件でワークショップが始まり、指導を任されている。
さらに月末締め切りだが、環境省の主催するエコロジーをテーマにしたデザイン・アートコンペがあるので、このツリーハウスの内容をデータ化して応募に出しておこう。

また、来月には私の所属している市民美術団体の展示がある。ついでに、このツリーハウスの内容をボードにプレゼンテーションして展示するつもりだ。先のコンペのデータを若干修正してレイアウトすればいい。
展示にはボードだけでなく簡単な構造模型も添えることができれば鑑賞者の理解や興味がより増すとは思うが、時間的にそんな余裕があるかどうかだ。
そんなことで、写真のデータだけは急がねばならなかった。おおよそ見た目には出来上がっている。



これにて約8ヶ月かかったツリーハウスの記録を終えるとしよう。
試行錯誤にやり直しの35日間であった。総作業時間212時間。
既に重要な情報は記録して語ってきたと思う。後の残りの作業は、重複内容となるのでさほど伝えるほどのことではない。

今後は、このツリーハウスを基点にその周りの森や里山との関係にも視点を広げて行きたい。

ここは山の入り口から約150メートル入ったところに位置している。海抜は30メートルほど。夕日はいつも海に沈む。
海まで歩いて15分足らず。その途中民家が立ち並ぶ。、皆何を生業としているか分からない。兼業農業でさえわずかだろう。
背景には山をひかえて、頂上まで数百メートルの山道がある。頂上の海抜は約200m。
頂上も木々が生い茂っているが整備が進めば見晴らしが良くなるだろう。
そうなれば、太平洋と伊勢湾が同時に視界に入る。南には渥美半島が延び、その先端まで見えるだろう。


2009年8月13日木曜日

33日目(ルーフィング8日)


 8月12日、晴れ、昨日は夜中に台風が通過、このあたりも大雨であった。明け方地震があり、このあたりでも揺れがひどかった。
昼前に森に到着。以前ほどの蒸し暑さは引けたが、地面からの照り返しで森の中も日の当たるところは暑い。
ようやくツリーハウスで涼むことができる。
今日は水平線がぼんやりしているが、遠くまでよく見える。遠方には渥美半島の先端や伊勢湾に浮かぶ島々が見える。
心地よい風が汗に濡れた肌を冷やしてくれる。エアコンの風と全然違う。何故だろう、違いは空気の流れ、その質にありそうだ。
森の風は何か気の様なエネルギーを含んでいる。なんとも潤うが、扇風機の風やエアコンは疲れが出る。これは逆にエネルギーを吸い取っているようだ。
おにぎりを食べ一休みしてから作業に取りかかろうと思っていた。だが、あまりの心地よさに本を読みたくなった。
持ってきた本は「異次元の刻印」、グラハム・ハンコック待望の新作(原著:Super Natural)。こんなとこ
ろで読むのは最高だ。なんとも周りの自然が異次元の世界を映し出すようで、時々回りに目を移しながら読みふける。

今日の作業は天井のルーフィング補修とサイドのルーフィング。
新たに購入したスカイブルーの波形プレートを天井に取り付けて採光を兼ねる。先ずはサイズを合わせて切断して、山形に折るためバーナーであぶる。満遍なくゆっくりあぶれば簡単にきれいに曲がってくれる。


次に、このプレートに合わせてフレームを作る。その際、中のフレーム材は取り付ける骨組み材に平行となるように設置することが望ましい。

そうすれば設置後骨組みの材と一緒に結束しやすくなる。
このところすっかりインパクトの使い勝手に慣れ親しんでいるので、結束は棕櫚縄の変わりにほとんどスリムネジで止めている。
ゆるんでいる箇所など最適だ。
最初からこれを使っていればよかった。結構激しい音が森に響く。しかし気持ちよいほど早く作業が進む。
引張りにはかなり強いので、最初に固定するには良いだろう。点結合なのでねじれには弱い。そのため、その後適度に棕櫚縄で結束することが大切だ。

取り付け後、スカイブルーの淡い光が内部に入ってくる。ベンチの板が淡いブルーで明るくなっている。その長さは前回と合わせて約1.5mくらい。
次回、透明の波形プレートの取り付けが雑だったので、このブルーに変えよう。

夕方サイドのルーイング作業をしているとクツナ氏が訪れた。ここは涼しくて蚊が来ない点に感激している。今日は皆も夏休みに入っていて他に誰も森にいない。
様々な話に話題が及び、すっかり日が暮れようとしていた。
最後に写真を撮っておこう。ちょうど人とツリーハウスを一緒に写した画像がほしかった。クツナ氏にモデルになってもらう。
ようやくツリーハウスの全容が見えてきた。何かエイリアンを思わせる雰囲気だ。
これは怪しくなってきた。
今日は早めに帰ってビデオでも見ておしまいにしよう。 

2009年8月9日日曜日

32日目(ルーフィング7日)

8月8日、梅雨が明けたといえ湿度が高い。

雨漏りを防ぐため山形の波形プレートを購入。あらかじめフレームを作っておき、それにこのプレートを取り付ける。取り付け金具は前回のプラフックはやめて、木ネジ式を選択。ヘッドがプラスなのでインパクトでは滑りやすい。下穴を開けていてもゆっくり入れる。

インパクトでフレームをつくる。
木ネジ(スリムネジ)はプラスビット式よりも◇ビット式を使うほうが良い。
プラスビットはインパクトでは弱すぎる。すぐに頭が削れてしまう。
プロの大工は、この◇ビットを採用しているという。

最初は疑ったが、穴が四角いほうが安定してネジを固定できる上、めったに頭が滑らない。
止める木が硬い場合、ネジで締め付ける前に下穴を開けておこう。下穴専用のドリルが市販されている。
木ネジは数種類用意しておこう。

今日はインパクトを使っているので作業が早く進む。
棕櫚縄で結束していた箇所もゆるんでいればこれで止めれば楽だ。
すべてインパクトで骨組みをつなげることができるだろうかと考えた。

それは非常に楽だろう。しかしその箇所は限定される。あまり細い箇所では無理だし、太すぎる箇所ではねじ切れる可能性がある。
しかしこの木ネジの締め付けは釘の数倍の強さがあるという。たよりになる。
適材を選んで使い分けてみよう。仮止めや、ゆるんできた箇所の補修などには最適だ。
今日は昼過から作業だったので、他は畦シートを少々取り付けた程度だった。
次回、まだ雨漏りのする箇所があるので再度山形のプレートを頂上部に取り付ける予定だ。
このプレートは値段が高い。平らのプレートに比べて5倍もする。考え物だ。次回バーナーであぶって適当に曲げてみよう。









2009年8月3日月曜日

31日目、ルーフィング6日

 8月1日、今日も雨時々曇り。
朝、小雨が降っており今日はやめようかと思っていたが、今日で何とか終わらせたいと思いがあり行くことに決めた。
車に乗ってしばらくすると大降りになってきた。やはり引き返そうかと揺らぐ。しかし既にルーフィングがおおかた出来上がっており、何とか雨をしのげる。ひどくなれば雨宿りでもしていればいい。
森に到着。近くでクツナ氏の話し声が聞こえる。以前知り合った水野氏と一緒に機械を操作している。椅子作りのワークショップの準備だ。
ツリーハウスでも使っている間伐材を使って椅子の脚を削っている。
脚となる樹の名前はこのあたりでは『シバ』という。
今ではほとんど名前も知られていない。庭木などにも使えないのだろう。昔は蒔きの材に良く使われており、ここの森でも燃料用に植林され、そのまま自然に繁殖している。材はきめが細かくしまっており、細くても強靭だ。
誰が作ったか知らないが、手本となる椅子が置かれている。
三本脚にT字型の背もたれ、杉の丸太を加工した際にでる端材を座に使っている。
デザインとしてはシンプルで皆気に入っている。

しばらく話していると雨は小降りになる。ツリーハウスに向う斜面はとても滑りやすい。
ハウスに登って入ると、雨漏りがひどい。愕然とした。
前回やはりいい加減にしておいたところから結構水が流れている。それに幹とルーフの間のすき間なども水の流れ道となっている。更に天井のシートの傾斜が反り返っており、そこから雨が流れ込んでいる。どの道やり直さねばならない。しかし、両側のシートの方は大丈夫だ。
この雨漏りというヤツはやっかいだ。次回早めに手をつけたほうが良さそうだ。
今日は雨が降っていて良かった。雨漏りの状態が良く分かる。

特に天井側の骨組みは傾斜つけるべきだった。言い換えれば卵を立てたような形状にすべきであった。
天井の最後の部分に取り掛かるが、作業は大変難航した。最後のシートの取り付けは外からできない。
そこでフレームをつくり、それにシート(今回は透明の波形板)を取り付けて内側から固定する方法を取った。
実際、ここでは後からこの最上部のフレームを取り外せるようにロープで縛り付けるだけにしておいた。

既に雨もすっかり止んでいる。午後から子供たちや訪問者などが訪れる。
長い間雨が降り注いだが、もう梅雨も明けるだろう。
これからは本格的な夏が体験できる。
人も動き出すだろう。楽しみだ。

今日は湿度が高い上、風もない。蚊が最上部で作業していても登ってくる。

2009年7月26日日曜日

30日目(ルーフィング5日)

7月25日、いまだに梅雨が明けない。乾いたとこなどどこにもないぐらい湿度が高い。先週同様、海の水平線がぼんやりしている。

午後より作業。森の管理人こと、藤村氏は炭焼き窯をひたすら作っている。こちらも8月ころには出来上がりそうだ。
ツリーハウスの床は早朝の雨で濡れている。今日は風が吹いている。ねっとりした空気だ。
時々揺れる。以前と違う揺れだ。骨組みだけのときの揺れと違って、シートで覆われたことで全体的に揺れる感じだ。ストロークが以前より長い。

さて、どこから手をつけようか。風で仮止めのシートがめくれ上がる。一番上に被せてあるシートの結束は両端だけだ。既に屋根の上には手が伸ばせない。危険だ。後々その下のシートをはずしてとめるしかない。

それより、先に進めるか。

今日は透明の塩ビの波形プレートを天井に取り付ける。そのためのフックを用意してきた。「プラフック」という商品名で、穴を開けて簡単に取り付けることができる。
しかし、これには難儀をした。外側からこのフックを差し込むが、下に補助で誰かいないと外れやすいのだ。今日はあいにく一人作業で手間取った。一番上のシートなりプレートを止めるのは、このフックでは考え物だ。DIYのお店には他の止め具が売られている。むしろ、木ネジ式を選んで、直接骨組みに取り付けるほうが簡単だ。
夕方小雨が降り始める。

ようやくハウスの中で雨をしのぐことができる。残すところあと少し、3分の1だ。
何とか後一回くればルーフィングは完了だ。
8月に入ったらぼちぼちと、庇や入り口、といった3次的段階をやっていこう。
それに加えて、見栄えが良くなるようにハウスの下半分もシートで覆うのもいいだろう。


上の写真は山側から撮ったツリーハウス。柳葉状の窓はもう少し大きくてもよかった。
中心には床が見える1平米足らずだ。内部には向って左側に1段高くなった1m×2mの床があり、ベッドの替わりになる。正面にはベンチがある。
こういったものは、この程度にしておこう。後は後続の人たちの創意・工夫に任せていこう。
このルーフィングもこれ以外の方法は、後続の人たちの改善
なり改良案に委ねよう。私はもうこれ以上やるべきではない。
私の行なうべきことは他にありそうだ。


2009年7月19日日曜日

29日目、ルーフィング4日

7月18日、午後より作業。むっとした蒸し暑さ、曇っていて風はない。
森の中、どこも蒸れている。汗ばむ。じっとしていると蚊が寄ってくる。
しかし樹の上は落ち着く。温度差はないが、体感温度が違う。緩やかな風が吹くと汗ばんだ肌を冷やしてくれる。蚊もここまでは上ってこない。下界に比べれば快適だ。
それでも体を動かしていると汗が滴る。
窓から見える海と空の境界ははっきりしない。

ルーフィング4日目で畦シート4巻き使う。既に両サイドはシートで覆われている。

午後3時ごろアートユニットの山崎君が手伝いに来る。ルーフィング作業を一緒に行なう。
私の方は様子を見ながらゆっくり作業を行なう。
ルーフィングの難しい箇所が出てきた。狭くなった長手方向の端部だ。ここは骨組みのすき間が狭い上、骨組みに沿ってシートが急カーブを描く。
骨組みの輪郭が曲面を描くためシートの収まりが困難だ。他のなだらかな曲面の箇所と平行してシートを取り付けることはできない。シートが浮き上がってしまうからだ。
二人で色々検討する。たぶんこの案で行くのが今のところベストだろう。下に示した図を見てほしい。

これはツリーハウスを上から見たルーフィングの絵図だ。
急カーブの輪郭を描く箇所を幅のあるシートで巻くのは困難だ。そこで、一旦端部で切り落として隙間となる箇所を最後の1・2枚のシートで上から抑えるという寸法だ。
図では一番上に被せるシートの固定は他のシートの様に棕櫚縄で骨組みに縛り付けることはできない。既にその下には複数のシートが敷かれていて穴を開けるのは困難だ。この点が次の課題となる。問題なければシートの両端のパンチの穴に番線を通してサイドのシートと共にして下で縛りつけようかと考えている。


さて、今日のルーフィングの出来を見てみよう。骨組みの最上部から上がって写真を撮った。
最上部のシートはまだ止めていないが、おおよそその様子が分かるだろう。

この様に、上から見れば全体のフォルムが収まって見える。しかしこれを下から仰ぎ見るとシートの隙間がかなり目立って全体のフォルムがつかみにくい。この点次回写真に収めて示していこう。



2009年7月12日日曜日

28日目、ルーフィング3日

今週も雨時々曇りの日がほとんど。今日は蒸し暑いが幸い晴れ上がった。
前回、畦シートの巻きつけには随分難儀をした。今回トイレットペーパー状にシートをセットして作業に取り掛かる。
この方法は実に見事だ。前回の作業で腰が痛くなってしまい今週は悩まされた。
今回のやり方は楽だ。シートを必要なだけ引き出しておけばそれで良い。途中引っかかったりする程度で、垂れ下がることもないので固定がスムーズにできる。
シートを反対側に持ってくるには一旦切らなければならない。シートの長さはおおよそ円周の半分ぐらいになる。
今日は初めてツリーハウスの大きさを性格に計ってみることにした。
長さが5.8m、これは先細りの先端から入り口まで。幅は2.8m。高さは床から最頂部まで2.8mある。
床下の骨組みからだと3,3mはある。
床のほか足場の安定のため、2段目の床を敷いた。その上に横になり久々に上を眺める。
木漏れ日でちょうどいい感じの光が差し込む。夏の暑さが厳しくなるのはこれからだ。ここから涼しい夏を満喫できることをしばし想像する。
後、シートを2巻きもすればおおよそ天井が閉じられる。その前に透明の波形プレートを一部取り付けてもいいだろう。
シート取り付け作業は、一日、1巻きが精一杯。今回も長手方向に2箇所窓を設けた。その上2段目の床を敷いたため時間となってしまった。

次回はシートを巻きつけるだけなので2巻きぐらいはいけそうである。しかし窓の庇を延ばすためにシートを継ぎ足す作業もある。そうなると後2日・3日かかりそうだ。7月末にはこの作業を終えたい。
Posted by Picasa

2009年7月5日日曜日

27日目、(ルーフィング2日)

今週も雨の日がほとんどだった。
西日本は豪雨で災害のニュースが流れている。
今日も昼から作業。森はぬれていて、湿度は高い。昼は、森のスタッフ・管理人こと藤村氏と食事。
彼らは、ツリーハウスから30メートルほど下ったところで炭焼きがまを作っている。窯の背後の斜面から水が湧き出て、溝を掘っている。
私の方は、午後から作業。
畦シートを2巻きする。夕方、クツナ氏が手伝いに来てくれた。 巻きつけるのにはずいぶん難儀をした。
2巻きを終わってから気が付いたが、やり方が間違っていた。
最初からトイレットペーパーを引き出す様なやり方でシートを広げていけばよかった。それを逆のやり方で行なっていたのだ。だから肩も、腰も痛くなってしまった。何しろこのやり方だと、途中で休むわけにはいかないのだ。前回はそれに耐え切れずに途中で地面に落として解けた包帯を手繰り寄せる様にしていた。
トイレットペーパー方式は次回からやってみよう。これなら一人でも楽にできる。
しかし、このような単純で分かりきったことがやってみないと思いつかないものだと、クツナ氏はつぶやく。
 海側の窓も、山の斜面側と同様に柳葉状にする。海が左右一面に見えるように後ろの窓よりも大きく開ける。そしてある程度雨が降り込まないように、庇を作る。
今日はこの庇を支える骨を新たに取り付けるため時間を費やす。なだらかな曲線を庇であり窓の輪郭が描くように角度を調整する。
ハウスの内部にはその骨を支えるための梁を取り付け。しかし、その梁が目線の邪魔になり空間が狭く感じたので取り外した。
その分庇の強度は弱い。
シートの庇は後々前方へ継ぎ足していく予定だ。
これで、山・と海側の両面に窓を設けたが、左右の先端部にも今後開口部を設けてもいけそうだ。 ツリーハウスの高さは比較的涼しい、既に木の上は一面緑に覆われており、夏の日差しをさえぎっている。この高さだと蚊が来ないのがありがたい。
しかしスズメバチは注意しなければならない。既にここのところ何回も見かけている。
今日も2回見かけた。
このスズメバチを誘導するワナの作り方は、以前クツナ氏から教わった。そろそろ作っておこう。

2009年6月28日日曜日

26日目、ルーフィング開始

ルーフィングの材料を決めかねていたが、ようやく畦シートに決めた。
最終的に決める要因は以下の点だった。
  • どこででも容易に手に入る。
  • 少ない道具で容易に施工できる。
  • 熟練を要しない。
  • 安価である。
  • 機能性・デザイン性を満たしている。
畦シートは塩化ビニールでできている。住宅の安価な雨樋とおなじだが、0.5mmと薄い。幅35センチ長さが20m、価格は1,680円。
今日は大変湿度が高くて少し動けば汗ばむ。
昼から作業に取り掛かる。ツリーハウスの上でおにぎりを食べて1時まで昼寝。
寝ながら感じた。高床式は涼しい。なんとも下界はむしむししているのに。木の上は快適だ、さほど風がそよいでいないのにもかかわらず。
さて作業の開始、畦シートは包帯のように巻いてある。骨組みの外側に巻きつけていくが、やっかいだ。布のようにはいかない。最初は骨組みにロール状のシートを吊り下げて少しずつとりつけていった。
これが上手くいかない。ある程度シートを広げないと取り付けにくいのだ。
次にロールを地上に降ろして、シートを少しずつ引き上げながら取り付けを行なった。これも上手くいかない。特に一人作業はつらい。取り付けも仮止めになってしまう。すべてが仮止めだと、効率が悪い。
一番良い方法は、最初に大雑把にすべてを巻きつけて、次に要所を仮止めしていくやり方だった。後から調整して本決めする。これは楽だし、後に窓を作る際に調整が楽だ。 
取り付け方は、いたって単純。
用意するものはファイルに穴を開けるパンチ、ただし1穴がいい。これでシートに穴を開ける。6mmの穴なので棕櫚縄が何とか入る。
ただし、取り付け位置には注意する。今の時点で言えることは、骨組みから吊り下げることのできる位置に穴を開けるのが良いだろう。
場合によっては直接骨組みと穴が接する位置で縛り付けることもある。その際、締め付け具合でその箇所だけシートが外側に反ってしまいがちだ。次に重なるシートとの関係、雨よけ、見栄えの点でできるだけラインはそろえたほうが良いだろう。

2時半ごろ、とよはしアートユニットのメンバー山崎君が作業に参加。
彼はインテリアに興味を持ち、現在家具作りの会社に勤めている。そのせいもあって何か作りたい。
さっそく、座るところでも作ってみるかと始める。
作っては、座ってみることをなんども繰り返し、調整しながらベンチが出来上がった。
背もたれといい、この程よいたゆみがたまらない。
ベンチは独立していない。骨組みと一体だ。

20mのシートで骨組み1周半する。山側に窓を設けようと考えた。今のうちに考えておいたほうが良い。
後からシートを切り抜いて窓を穿つといったやり方も良いが、
作業をするうちに、この包帯状のシートをずらして窓にならないかと思い立つ。
シートが反って庇になるように、数本の骨を継ぎ足して庇の支えとする。
この時点で窓が出来上がった。
ちょうど柳葉のような輪郭の窓だ。左右の切れ長のスリットの処理などの二次的なことは、後で何とかなるし、そのままで良い。

Posted by Picasa

今日は窓のかたちを決めたりで、サクサク作業は進まなかった。しかしこのシートは結構使える。なんといってもこのような立体の形状を包み込むには。
シートが波状になっており、形状が多少アコーデオン式に弛んでくれるので骨組みの凹凸にフィットする。

とりあえず、これでルーフィングの課題は乗り越えた。

それにしても急がないといけないと思っている。既に数箇所の結合部のゆるみが見つかっている。確認してないだけでかなりあるのでは。
荷重がしっかりかかる下部は問題ない。ゆるみやすい箇所は中間部分の程よく荷重のかかる箇所だ。
いつまでもほっておけない。

2009年6月25日木曜日

ルーフィングの案、その3

 梅雨入りして今週は雨が続く、早くルーフィングを施したいものだ。
 心配なのは、棕櫚縄がゆるむことだ。棕櫚縄が雨でぬれれば元の縛った状態になる。締め付けて縛ってあるが、乾いたときよりもゆるい。
そこに強い風が吹いて骨組みが揺れれば、その締め付けがずれてしまう恐れがある。一旦ずれた箇所は再び乾いた際、以前同様に締め付けが強くなるとは考えにくい。
強風でずれるということは、そこに遊び(空間)があるからだ。だから以前よりゆるくなる可能性が高い。
 台風の時期は絶対にまずい。秋の長雨も避けるべきだ。
早いところ材料を決めなければ。
そう思い、再度材料を探す。お金をかければ問題は解決できる。高価な材料はかなりなる。
絞り込む基準はバランスだ。今後参考に、見つけた材料を挙げておこう。

これは根巻様の麻縄テープ。これを骨組みに被せた上でガムファルトを塗るというのが最初の安だった。問題は塗る手間がかかりすぎるという点だ。
あらかじめテープに塗料を塗っておけば良いが、生乾きのうちに被せる作業が難儀である。






天然の杉皮テープ、幅30cm×5mで2,000円弱。幅20cm×5mで1,280円。経済的に余裕があればこの材料を選択してもよいだろ
う。


そのほか、杉材ではないが、棕櫚の繊維をほぐしてテープ状にした。




天然素材ではないが、使えそうなシートがある。
畦畔(あぜ)シートといって、田んぼとあぜ道の間に差し込む土留め用・防水用のシートだ。これは安価だ。40cm×20mで1800円弱。

そのほか、アスファルトシートも探ってみた。これは防水性はよいとしても簡単に破れてしまう。

もうしばらく様子を見よう。



2009年6月22日月曜日

da vinci grids(ダビンチ・グリッド)その2

ダヴィンチの幾何学的パターンを示す図が見つかる。一体何を示しているのか当初は分からなかった。
この図はその拡大図で六角形の格子が連なっている。しかもそのつながり具合ははっきりと示されている。


899v in the Codex Atlanticus

オランダの彫刻家 Rinus Roelofs はそれがある構造を示していることに気がつき、早速模型を作ってみた。
するとそれは平面に収まらず緩やかな弧を描いて浮き上がってくるのであった。この実験はその後展開し、イタリアの数学研究チームによって実験が繰り返された。
da Vinchi Grids についての参照サイトを以下に記しておこう。


 ここで、寄り道してダヴィンチ・グリットに関連する内容について軽く触れておこう。
このグリットに関連するその格子構造は既に90年代より徐々に一部の研究者の間で注目され、ダヴィンチ・グリットとは別に展開していた。
 私の見解ではダヴィンチ・グリットも幾何学的には以下の範疇に含まれるものと判断している。
その構造は、要素が互いに交互に重なり合っている。
このことから、多数の(muluti)相互依存形式(reciprocal)によるフレーム(frame)または格子(grids)ということで、レシプロカルフレームまたはMRFあるいはMRG構造といわれている。
このMRGやMRFについては、私のホームページで詳しく述べてある。
ちなみに、私の研究はダヴィンチ・グリットから直接入ったわけでなくでも、先のMRGからでもなかった。この件はまた別の機会に話すとしよう。