2009年6月28日日曜日

26日目、ルーフィング開始

ルーフィングの材料を決めかねていたが、ようやく畦シートに決めた。
最終的に決める要因は以下の点だった。
  • どこででも容易に手に入る。
  • 少ない道具で容易に施工できる。
  • 熟練を要しない。
  • 安価である。
  • 機能性・デザイン性を満たしている。
畦シートは塩化ビニールでできている。住宅の安価な雨樋とおなじだが、0.5mmと薄い。幅35センチ長さが20m、価格は1,680円。
今日は大変湿度が高くて少し動けば汗ばむ。
昼から作業に取り掛かる。ツリーハウスの上でおにぎりを食べて1時まで昼寝。
寝ながら感じた。高床式は涼しい。なんとも下界はむしむししているのに。木の上は快適だ、さほど風がそよいでいないのにもかかわらず。
さて作業の開始、畦シートは包帯のように巻いてある。骨組みの外側に巻きつけていくが、やっかいだ。布のようにはいかない。最初は骨組みにロール状のシートを吊り下げて少しずつとりつけていった。
これが上手くいかない。ある程度シートを広げないと取り付けにくいのだ。
次にロールを地上に降ろして、シートを少しずつ引き上げながら取り付けを行なった。これも上手くいかない。特に一人作業はつらい。取り付けも仮止めになってしまう。すべてが仮止めだと、効率が悪い。
一番良い方法は、最初に大雑把にすべてを巻きつけて、次に要所を仮止めしていくやり方だった。後から調整して本決めする。これは楽だし、後に窓を作る際に調整が楽だ。 
取り付け方は、いたって単純。
用意するものはファイルに穴を開けるパンチ、ただし1穴がいい。これでシートに穴を開ける。6mmの穴なので棕櫚縄が何とか入る。
ただし、取り付け位置には注意する。今の時点で言えることは、骨組みから吊り下げることのできる位置に穴を開けるのが良いだろう。
場合によっては直接骨組みと穴が接する位置で縛り付けることもある。その際、締め付け具合でその箇所だけシートが外側に反ってしまいがちだ。次に重なるシートとの関係、雨よけ、見栄えの点でできるだけラインはそろえたほうが良いだろう。

2時半ごろ、とよはしアートユニットのメンバー山崎君が作業に参加。
彼はインテリアに興味を持ち、現在家具作りの会社に勤めている。そのせいもあって何か作りたい。
さっそく、座るところでも作ってみるかと始める。
作っては、座ってみることをなんども繰り返し、調整しながらベンチが出来上がった。
背もたれといい、この程よいたゆみがたまらない。
ベンチは独立していない。骨組みと一体だ。

20mのシートで骨組み1周半する。山側に窓を設けようと考えた。今のうちに考えておいたほうが良い。
後からシートを切り抜いて窓を穿つといったやり方も良いが、
作業をするうちに、この包帯状のシートをずらして窓にならないかと思い立つ。
シートが反って庇になるように、数本の骨を継ぎ足して庇の支えとする。
この時点で窓が出来上がった。
ちょうど柳葉のような輪郭の窓だ。左右の切れ長のスリットの処理などの二次的なことは、後で何とかなるし、そのままで良い。

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今日は窓のかたちを決めたりで、サクサク作業は進まなかった。しかしこのシートは結構使える。なんといってもこのような立体の形状を包み込むには。
シートが波状になっており、形状が多少アコーデオン式に弛んでくれるので骨組みの凹凸にフィットする。

とりあえず、これでルーフィングの課題は乗り越えた。

それにしても急がないといけないと思っている。既に数箇所の結合部のゆるみが見つかっている。確認してないだけでかなりあるのでは。
荷重がしっかりかかる下部は問題ない。ゆるみやすい箇所は中間部分の程よく荷重のかかる箇所だ。
いつまでもほっておけない。

2009年6月25日木曜日

ルーフィングの案、その3

 梅雨入りして今週は雨が続く、早くルーフィングを施したいものだ。
 心配なのは、棕櫚縄がゆるむことだ。棕櫚縄が雨でぬれれば元の縛った状態になる。締め付けて縛ってあるが、乾いたときよりもゆるい。
そこに強い風が吹いて骨組みが揺れれば、その締め付けがずれてしまう恐れがある。一旦ずれた箇所は再び乾いた際、以前同様に締め付けが強くなるとは考えにくい。
強風でずれるということは、そこに遊び(空間)があるからだ。だから以前よりゆるくなる可能性が高い。
 台風の時期は絶対にまずい。秋の長雨も避けるべきだ。
早いところ材料を決めなければ。
そう思い、再度材料を探す。お金をかければ問題は解決できる。高価な材料はかなりなる。
絞り込む基準はバランスだ。今後参考に、見つけた材料を挙げておこう。

これは根巻様の麻縄テープ。これを骨組みに被せた上でガムファルトを塗るというのが最初の安だった。問題は塗る手間がかかりすぎるという点だ。
あらかじめテープに塗料を塗っておけば良いが、生乾きのうちに被せる作業が難儀である。






天然の杉皮テープ、幅30cm×5mで2,000円弱。幅20cm×5mで1,280円。経済的に余裕があればこの材料を選択してもよいだろ
う。


そのほか、杉材ではないが、棕櫚の繊維をほぐしてテープ状にした。




天然素材ではないが、使えそうなシートがある。
畦畔(あぜ)シートといって、田んぼとあぜ道の間に差し込む土留め用・防水用のシートだ。これは安価だ。40cm×20mで1800円弱。

そのほか、アスファルトシートも探ってみた。これは防水性はよいとしても簡単に破れてしまう。

もうしばらく様子を見よう。



2009年6月22日月曜日

da vinci grids(ダビンチ・グリッド)その2

ダヴィンチの幾何学的パターンを示す図が見つかる。一体何を示しているのか当初は分からなかった。
この図はその拡大図で六角形の格子が連なっている。しかもそのつながり具合ははっきりと示されている。


899v in the Codex Atlanticus

オランダの彫刻家 Rinus Roelofs はそれがある構造を示していることに気がつき、早速模型を作ってみた。
するとそれは平面に収まらず緩やかな弧を描いて浮き上がってくるのであった。この実験はその後展開し、イタリアの数学研究チームによって実験が繰り返された。
da Vinchi Grids についての参照サイトを以下に記しておこう。


 ここで、寄り道してダヴィンチ・グリットに関連する内容について軽く触れておこう。
このグリットに関連するその格子構造は既に90年代より徐々に一部の研究者の間で注目され、ダヴィンチ・グリットとは別に展開していた。
 私の見解ではダヴィンチ・グリットも幾何学的には以下の範疇に含まれるものと判断している。
その構造は、要素が互いに交互に重なり合っている。
このことから、多数の(muluti)相互依存形式(reciprocal)によるフレーム(frame)または格子(grids)ということで、レシプロカルフレームまたはMRFあるいはMRG構造といわれている。
このMRGやMRFについては、私のホームページで詳しく述べてある。
ちなみに、私の研究はダヴィンチ・グリットから直接入ったわけでなくでも、先のMRGからでもなかった。この件はまた別の機会に話すとしよう。

2009年6月20日土曜日

床を張る

繊維が入っているビニールシートは、農業用温室ハウスの中で使うカーテンだということ。カーテンが閉じやすいように繊維が入っている。ネットで調べた結果、たぶん透明糸入りシートのことだろう。とはいえ、骨組みの小口に当たれば破れやすい。4㎡が3,600円、お知り合いの工場から直接買うのでそれより安くなるとはいえ保留にしておこう。
今日は、ルーフィングのことより床を張ることに決めた。 床の材料は既にそろっていた。
やり方はごく一般的。ふつうの床を張る要領。いきなり床材を広げるのでなく、ある程度(45cm)の間隔で支えの材をすべて水平に取り付けておく。
釘打ちはしない。すべてインパクトドライバーによってビス止めが確実。インパクトは充電式がよさそうだが、コード式の方が経済的。インパクトのトルクも衰えない。この森まで電線を引いているので良いが、そうでなければもちろん充電式がいい。
ビットは+が量販店では一般的だが、◇ビットの方が締りが良い、プロの通う店には◇ヘッドのビスがあるので数種類そろえておこう。

2009年6月19日金曜日

da vinci grids(ダビンチ・グリッド)その1

ここでダビンチ・(da vinci grids)について語ろう。

レオナルドダビンチは多くの絵画の他、アイデア図面や絵図・スケッチもたくさん遺している。それらは手稿(codex)といい数種類の図版やノートである。
その中のアトランティコ手稿(codex Atlanticus)は発明のアイデアが収められている。
釘をまったく使わないで荷重だけで成り立つ構造はよく知られている。アーチ構造でユニット形式で組み立てることができ、あっという間に橋が出来上がる。




この類の構造の特徴は、互い違いに骨組みが支えあっていることだ。
しかし、その方向は幾何学的に直線にとどまっている
レオナルドは他にも考えた。この弧を描くことをドームに使えないだろうかと。
彼はそのスケッチのヒントを私たちに残している。たぶん彼のイメージの中では緩やかなカーブを描く輪郭のドームがあったのだろう。

2009年6月16日火曜日

防水材‐検討2

昨日クツナ氏よりメールあり。
ルーフィングの材料を見つけたとのこと。
以前、ビニールシートを使う案があったが、シートが骨組みの角に当たって敗れてしまうのでこの案はやめることにした。
しかし今回の材料は、そのシートに繊維が入っているとのこと。破れにくく、じょうぶなのだろう。
たぶん次回行くときには、サンプルが用意されているだろう。検討してみよう。

2009年6月9日火曜日

防水材‐検討1

防水材について調べる。天然ゴムとアスファルトの混合剤(ガスファルト)がよさそうだ。
HikariKasei2005-08-10
色が真っ黒になるのが気になるところ。
しかし水性なので扱いやすいだろう。それに水性アクリル塗料を加えれば着色可能だ。着色といっても黄色を混ぜてアースカラーになれば良いいが・・・
これを麻布に塗り、それを骨組みに被せる案はどうだろうか。

アスファルトの歴史と使われ方は、参照サイトへ

2009年6月6日土曜日

24日目

天気予報はずれており、雨が降っていた。止むことを予想して11時ごろ森のスクールに到着。
今日は山崎君も参加。残りの先端部分の骨組みを彼にまかして、私は他の箇所の調整に取り掛かる。
ほぼ2時には出来上がり、後は支柱の調整を行なう。最後にルーフィングを麻のシートで覆うことを検討する。
このシートは安価でどこでも手に入る。移植に使う根巻きシートだ。軽くてじょうぶだが水は通してしまう。メッシュも粗い1mm角もあるため、できれば麻袋を使うほうが良いだろう。これをどう防水加工すればよいかが課題だ。防水塗料を塗れば簡単だ。はたしてそれがベストかどうかは、まだ今の段階ではなんともいえない。今日は試しにどんな感じになるか貼り付けた。山崎君いわく、予想としての外観はカマキリのたまごの様にになるだろう。

2009年6月1日月曜日

23日目、骨組みの完成

5月30日、午後より作業。
骨組みの尾根の部分をつなぐ作業。骨組みの構成を調整しながらの作業のため、通常よりも若干時間はかかる。しかしすでに周りの骨が出来上がっていることでつなぎやすい。
今日は尾根部分の大半を仕上げた。残るは先端の箇所。これでほぼ骨組みが完成した。
かかった時間が152時間。一人工8時間として19人工もかかってしまった。試作としてはその見通しについて甘かった。技術的には成果があったが、経済的には失敗であった。

これからいよいよルーフィングに取り掛かる。
しかし、今後さらにリスクが大きくなってしまう。
このまま試作として骨組みで終わろうかという案が浮上している。
クツナ氏もその考えだ。森の管理人こと藤村氏も同様で、そのまま骨組みの良さを見せることに意義があるという。そうでなければ、天然素材を用いることを主張している。ビニールテントには反対だ。

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