2009年1月25日日曜日

6日目

昨日24日は晴れ。当日午前10時、助手を連れ立ち田原に向う。道すがら、右に見える内海は白波が立ち日本海を思わせる。
森の中では、極寒での作業であった。冷たい風、小雪が一度ちらつく。頬には冷たい風、湿らせた棕櫚縄を扱う指先が凍る。
森の中、本日誰も来ないし、作業もしていない。作業に熱中していたとはいえ、この寒さには応える。助手の方は寒さに強いようだ。

そこまでして行なう理由は何であろうと自問する。もう少し暖かくなってから初めてもでもよかったのではないか。
理由の一つには、ビジョンがあるからだろう。究極の・・・と謳ったぐらいだから根拠と確信を貫きたい意志が己を追い立てるのだろう。この究極の・・・については追々論じていこう。
二つ目の理由は、なんとしても伝えること・分かち合いたいことがあるからだろう。それにこれを後にワークショップなどを通じて行ないたいと願っているからだ。
三つ目は、縁あってこの森とそれを取巻く人々との出会いと協働だろう。里山作りでもある。
四つ目は、寒いとはいえ、このツリーハウス作りがとても良い運動になることである。これはやっている間に気がついた。この変わった骨組みをつくっていくため、あらゆる方向に体を動かしたりするからだ。また、樹上での体のバランスを保つため足腰が鍛えられる。それに、緊張と思考を使うため肉体の苦痛が軽減されるのだろう。

当日の作業では、枝材の片方を固定するクランプは小さすぎ、それに加えてバネが強く片手ではてとても使えなかった。
2人での作業だったので、一方が材の端を固定していることで作業は順調に進んだ。
次回、この固定、単管パイプのクランプを使ってみようと考えている。
本日以上。


2009年1月23日金曜日

準備する道具・材料

昨日は久々の雨、明日の24日土曜は晴れているので森のスクールへ行く予定。
その度ごとに作業の効率を考え、作業性はずいぶん向上した。
ここで、現時点での作業道具や材料についてまとめておこう。
先ず、必要となる道具から。写真を参照に説明していこう。
右から、
  • 作業手袋は滑り止めのあるもの、生地が薄いほうがよい。
  • それと棕櫚縄は水につけて湿らしてから用いるため、うすでのゴム手袋も必要だ。
  • 写真の一番左にある小さな容器、吊り下げれる取っ手がついているものが便利だ。この中に棕櫚縄を入れて作業中浸しておき、必要な分だけ引き出して用いればよい。
  • その右に写るのが棕櫚縄の大巻サイズだ。あらかじめボール状に小巻にしておいて先の容器に入れておけるサイズにしておく。
  • 縄を切るはさみは手芸用の握り戻しが効くものがよい。
  • 枝材を切るのこぎりも必要だ。
  • もちろん樹上での作業、鋸やはさみを入れておく腰ケースは安全で効率がよい。
  • それ以外に写真には写っていないが、クランプがあるとよい。前々回気がついたことだが、一人での作業で枝材を所定の位置に固定して結束するのに随分難儀をしてしまった。2人なら枝材の片端をどちらかが支えておればよいが、いずれにしてもあるに越したことは無い。このクランプはプラスチック製のかなり大きなクランプだ。

2009年1月19日月曜日

5日目(骨組みの作業練習)

 1月17日、当日の最高気温11度。風もさほどなく作業は順調に進む。
午前11時より作業開始、徐々に日が当たり始めるが、まだ樹上は日があたらない。
あらかじめ材料の枝を集めておく。長さはおおよそ作業する人の背丈ぐらいに切りそろえておくのがよい。このくらいだと作業性がよい。
太さも分けてそろえておくとよい。荷重の係り具合に応じて使い分けていくのだ。

本日は助手が同行。助手はつなぎ方は習得し、パターン化した骨組みを自ら習得したい要望あり。骨組みの構成、作業手順、しくみ、その作用等を簡単に指導する。
要領は既に得ていたので、地上にて構成の最小単位(モジュール)を組む。
助手、当初は互い違いに組んでいくしくみが納得いかないようであった。しかし、連結の段階に入ってその重要性に気付くようになり始める。後はその連続なので一人で考えて行なっうことができた。




六角形の格子が出来上がる。要領としては、常に三角形を意識して組んでいく。
その際、材の交差点はおおよそ標準1:2におさめ、材の片端は常に外側に向くようにする。そしてその端部は結束する部分を残して短くしておく。一つの三角形が出来上がればその材の一つを一辺とするもう一つの三角形を組む。
次の交差点は、若干戸惑うが先ほどの1:2の振り分けを逆方向から振り分ける。
言い換えれば、三角形を1単位あたりずらして連結するわけだ。
こうしてできる三角形の連結は、写真でも分かるが、六角形の格子を中心に形作ることができる。その一辺は三角形の一辺の1単位である。この中心は前回多角形といったが、5角形でも四角形でもよい。三角形の一つの角度は60度なので平面に近く持ってくるには六角形がよいが、五角形になれば骨組みの構成に緩やかな傾斜が生じてくる。まして四角形だと隅角のができる。
要は、つくる空間に応じてこの中心来る多角形の大きや種類・材の交差間隔を直感的に決めていけばよい。この点はうまく決めようとすれば経験が左右するが、むしろ、初めはおおよそで試行錯誤するところが楽しいのだ。


2009年1月15日木曜日

4日目

年が明けてすこぶる寒くなったが、それにもめげず取り掛かる。本日1月15日。一人で作業を開始するが、ゆずりは学園のスタッフが足りなくなった材料を運んでくれて、それだけでも助かった。
骨組みの組み方は、試行錯誤の上、ようやくパターンが見えてきた。このパターンは私の幾何研究の模型でずいぶんとやってきたので必ずうまくいくとイメージできた。しかしここまで分かってくるずいぶんやり直した。
先ず、骨組みを棕櫚縄でつないで行く。それも常に三角形ができるように。これが第一原則。三角形の一辺を共有して連続する三角形を次々つなげれば、図Aが示す五角形の空間ができるようになる。図Aは五角形だが四角形でも、六角形でもいい。図Bは樹上に最初に五角形を組んでいるが、むしろ最初は三角形からスタートしたほうがいいだろう。そのほうが骨組みは安定するし、足場も安定する。図Cでは三角形の組み方を示している。パターンは交互につなげていくこと。図Dがよくその特徴を示している。


そして小口(材の切り口端部)が常に下に向く用につなげる。これが第二原則。そうすれば三角形の連続が全て同様のパターンで組むことができる。それに加えて、小口を外側に向けることで作業が安全にできる。骨組み上ですべることもあり鋭い小口で怪我をしないですむという利点もある。
三角形の連結は図Eが示すように一辺を共有し、原則どうり小口を下に向けてつなげる。ここで注意しなければならないのは、つなげる一辺間のどの辺りにつなげるかだ。これは材の太さやハウスの規模にもよるが、材の3分の1ぐらいずらしてつなげるのが手始めとしてはよいだろう。図Fがその状態を示している。

この点の塩梅は次の図G・Hを観ていただければ説明しやすい。先ほどのずらした分だけが五角形の一辺をつくっている。そのして連続した三角形はもう一つの五角形をつくっている。この空間は五角形だが、四角形でも六角形でもかまわない。
原則の第三としては、連結の際ずらしてできる空間は多角形となる
図1はこのパターンの展開を示している。
実際は樹上では平面上ではなく、おわん状になっていく。しかしその傾斜角度の調整は多角形とその空間の大きさに因る。五角形と六角形では同じ空間であれば六角形の方が傾斜は緩やかになり、より空間を広げることができる。逆に四角形ならば、より傾斜はきつくなり空間を狭くすることができる。
以上、多角形の選択で骨組みの傾斜を調整できたが、その空間の大きさでも調整できる。より大きくすればお皿状になるか、それを逆にすればすぼめることになる。

そこで、原則の第四としてはハウスの大きさ形は主にこの多角形とその大きさで調整する
もちろんハウスの空間・形状の調整は、一箇所を原則どうり行なってできるというのでなく、先々を予想して、そのつど調整をしながら組んでいけばよい。

2009年1月9日金曜日

2日目と3日目


昨年の暮れ12月23日・24日の記録。22日はすこぶる寒かった。隣接する樹木の影で太陽が昇ってきても日が当たらず、おまけに風が吹いていた。
前日22日は足場から取り掛かる。太い間伐材を足場にして安全を確保しながら足場で安全な立ち作業ができるように手すりを組んでいく。
助手、黙々と骨組みをつないでいた。